前述の通り、GPS・20か条・業務委託契約書などのツールを活用し、アルバイトスタッフに不正をさせないことは、事業者としての責務です!
そうならないよう、あらかじめ仕組みを用意し、未然に防止するようにしてください。
ポスティング会社の中には、あずかったチラシのうち、全体の3分の1しか配っていないところもあるようです。
軒並み配布をしているのにもかかわらず、依頼元の企業へ反響がない場合は、まず配布していないと考えていいでしょう。
あるクライアント様から聞いたところによると、1日で5,000枚配ると言っていた業者に依頼した際、なかなか反響が得られず苦労していたそうです。そこで調べてみると、世帯そのものが1,000しかなく、残りの4,000枚は配布していませんでした....。
すでに述べているように、ポスティングによって得られる反響というのは、全体の1%未満です。それも、きちんと配布しての数字であるため、「バレなければいいや」と考えてしまうポスティング会社も存在しているようです。
ただ、クライアントを騙して事業を行うなど、言語道断です!
信頼して任してくれている以上、こちらもその期待に応えなければなりません。誠実に、そして結果が出るやり方でポスティングを行うのが、絶対的なルールです。
しかし、採用したアルバイトスタッフも、同じような熱量をもっているとは限りません。特に始めたばかりの人は、ポスティングを甘く見ているケースが多く、ルールを徹底させる必要があります。
中でも、注意が必要なのは経験者です。経験者なら問題なくポスティングしてくれると思われがちですが、できるだけ楽に配るクセが身についていることも多く、ドアポストへの投函や完全投函をしない場合があります。
そうならないよう、定期的に「ブラインドチェック」を行うようにしましょう!ブラインドチェックとは、アルバイトスタッフに気づかれないように、チラシの投函状況をチェックする作業のことです。
これを、定期的に行うのです。
具体的には、チラシを持って出発したアルバイトスタッフのあとをつけていき、ドアポストに投函しているか、完全投函できているかなどをチェックします。ぴったり尾行しなくても、チラシの投函状況だけ確認すれば問題ありません。
「そこまでしなくても……」と思う人もいるかもしれませんが、そもそもポスティングというのは、何かと理由をつけてサボってしまいやすい仕事です。最初は真面目に仕事をしていた人でも、疲れていたり、寝不足だったりすると、楽をしようとするものなのです。
ちょっとしたきっかけで「そこまで真面目にやらなくてもいいか」という発想を抱いた瞬間、これまで心がけていたやり方を守らなくなるというのは、よくあることです。それは、個々人の人間性に問題があるのではなく、人として普通のことなのです。
事業者としては、そのような人間の特性まで理解したうえで、対策を講じなければなりません。少なくとも、GPS、20か条、業務委託契約書を完備し、さらに定期的なブラインドチェックを行いましょう。
これからポスティングビジネスに着手する人の中には、そのような対策をとるのではなく、“性善説”で対応したいと考える人もいるはずです。
しかし、クライアント様のためにも、厳しい姿勢で臨む覚悟が必要です。
思い出してください。チラシというのは、クライアント様からのあずかり物です。きちんとポスティングできるかどうかというのは、自分たちだけでなく、お客さまにも関係することなのです。そうした認識をもつようにしてください。