現状、高額な養育費や教育費、介護費等を賄うため、あるいは家計を少しでも安定化させるために、副業をしている人は少なくありません。
また、本業のかたわら使える時間を利用してアルバイトをする人も増えています。
新型コロナウィルスに罹患した60歳代の会社員男性もそうでした。
その男性は、副業でセブンイレブンでアルバイトをしていて会社にばれないように陽性と判明する前日まで勤務し、「自宅で療養していた」と保健所に虚偽の説明までしていたとのこと....。
閑話休題
総務省が発表している「平成29年就業構造基本調査」によると、副業をしている人の総数は約270万人。うち、男性が約143万人、女性が約125万人となっています。
また、有業者にしめる副業者の割合(副業者比率)は4・0%と、前回調査(平成24年)よりも0・4ポイント上昇しています。
雇用形態別にみると、「正規の職員・従業員」は2・0%で0・2ポイントの上昇。「非正規の職員・従業員」は5・9%で0・6ポイントの上昇となっています。
さらに、追加就業を希望している人の数も増えており、平成29年度の段階で約424万人を記録しています。比率では全体の6・4%であるものの、前回調査より0・7ポイント上昇しており、副業に対する意欲が増しているのが見てとれます。
雇用形態別では、「正規の職員・従業員」は5・4%で1・1ポイントの上昇。「非正規の職員・従業員」は8・5%で0・4%ポイントの上昇となっています。いずれも増加しているのがわかります。
このように、数字上も増加しているのが明らかとなっている副業ですが、たとえ社会全体で推進していても、本業に影響を与えない範囲で実践でき、かつ収入がともなわなければ意味がありません。
たとえば、仕事が終わってからコンビニでアルバイトをすれば、それなりの収入にはなります。時給1,000円だとして、5時間勤務すれば5,000円の収入になります。週3日で月6万円のプラス収入です。
しかし、仕事が終わってから5時間も働くのは大変ですよね....。
18時からスタートしても23時まで勤務しなければなりません。体力も睡眠時間も削られることとなるため、場合によっては、本業の最中に眠気が襲ってくることもあるでしょう。
事実、アルバイトに励んでいた人が、本業の最中に居眠りしてしまったという事例を耳にしたこともあります。それでは、何のために副業しているのかわかりません。あくまでも、本業があってこその副業なのですから....。
そのような点をふまえると、副業というのは、本業に支障をきたさない範囲でやるのが基本と言えます。副業をした結果、本業でミスが多発し、減給や降格になってしまえば、それこそ元も子もないでしょう....。
私もかつて、似たような経験をしたことがあります。何か効率的に稼げる副業はないかと探しており、某マッサージ店に勤務していたときのことです。
このマッサージ店では、スタッフが業務委託というかたちで働いており、初心者は売上の4割がもらえるスタイルでした。そこで18時から23時まで勤務してみたものの、なかなか指名を得られず、フリー客を相手にする日々が続いていました。
結局、実際に働けた時間は1日のうちわずか2時間だけ。収入は月47,000円で、時給に換算すると1,192円でしたが、拘束時間が長いため非効率であることは否めません。しかも、疲労と寝不足で、本業に支障が生じてしまったのです....。
今になって考えると、最初の50時間は研修と称して無賃金で働かされましたし、実際に仕事がない時間が無駄になってしまうことを考えると、かなり非効率であったことは否めません。しかし、こうした副業は非常に多いことが現実なのです。
私が毎日といっていいほど通うセブンイレブンに週5日で23時~6時まで夜勤をする菊池さんは、6時に終えると9時から10時までパチンコ店のOPEN前清掃のアルバイトと昼間は昼間で某マッサージ店の送迎までこなし、なんと掛け持ち3つ!
実際に副業をしながらお金を稼いでいる人は身近にたくさんいるのです。