ポスティングビジネスは、基本的に、地域密着型で行うと述べました。
地域を限定し、おおむね半径20kmのエリアでチラシを投函していれば、その地域に精通できるだけでなく、ポスティングの効率も高めることができます。
実際にポスティングを始めてみるとわかりますが、地域に密着した店舗というのは、意外に多いものです。
たとえば、学習塾やエステ、理美容店など、エリアを限定してビジネスを展開している店舗はたくさんあります。
こうした店舗では、ユーザーのおよそ8割が半径3km圏内であるか、あるいは自動車移動を含む15分以内の距離に住んでいると考えられます。
例外としては、通勤・通学経路の導線上にある場合でしょうか。
またフランチャイズ展開している店舗として、ピザや寿司などのデリバリーやラーメン、ご飯物、さらにはファーストフード店などもありますが、こうした店舗でも、店舗ごとに地域を限定して収益力を高めています。
つまり、対象としている顧客の住まいは、それほど広い地域に散らばっているわけではない、ということです。
地域ごとにわざわざ店舗を建てているということは、ビジネス上、そうする理由があるのです。
デリバリー系の店舗ではありませんが、地域密着型ビジネスという点で言うと、セブンイレブンなどが巧みな戦略を展開しています。同社が行っているのは、いわゆる「ドミナント戦略」というものです。
ドミナント戦略とは、あらかじめ攻略する地域を決め、そのエリアに集中して店舗を出店する手法のことです。そうすることで、広告宣伝費の支出を抑えるなど経営効率を高めつつ、その地域内でシェア拡大を実現できます。
多店舗展開とは異なりますが、地域を限定してポスティングビジネスを行うにあたり、こうした戦略も参考になります。
その地域における認知度を高め、優良なポスティング会社であると認識してもらえれば、依頼は自然と入ります。
また特殊な事情がない限り、遠方の学習塾を選択する人はいません。
大抵は、子どもが徒歩で通える塾を比較し、選択しているはずです。
エステや理美容店も同様で、まずは近隣を探すのが普通でしょう。
そのように考えると、担当する地域のどこにどのような店舗があるのかを知っておくことは、戦略立案上、重要であるとわかります。
ポスティング事業を行う以上、そういった情報も得ておくことが求められます。
さらに言うと、各店舗がどのような戦略で集客しているのかも知っておくといいでしょう。とくにフランチャイズ展開している店舗は、独自の戦略によって集客しています。そのような部分にまで、視野を広げてみてください。
たとえば、弁当や惣菜を販売している「オリジン弁当」は、セブンイレブンの近くに出店していることが多いです。
これは、セブンイレブンと客層が近いことに加えて、微妙にズレているニーズを取り込めると考えてのことです。
セブンイレブンが出店しているということは、そこに商圏があると考えられます。本来、出店判断には、人口動態や経済圏など、幅広い市場調査が必要です。
その手間を省くために、セブンイレブンを参考にしているのです。
セブンイレブンの弁当や総菜に満足できない人は、必然的に、オリジン弁当へと流れていきます。すると、事業が安定しやすいのです。こうした企業の戦略を知っておけば、ポスティングビジネスにも応用できるでしょう。