また別の視点からも、副業の必要性について考えてみましょうか。
少子化が進む日本において、「いかに子どもを育てていくのか」という至上命題は、国民全体が考えなければならない重要な課題になっています。特により良い教育を受けさせるという観点は、優秀な人材を育てるためにも重要視されるべきでしょう。
ただ一方で、日本だけでなく世界で収入格差が広がっているように、子どもの教育にも格差が波及しています。
なぜならば、両親の収入によって、子どもに与えられる教育の内容にも差が生じているためです。
具体的な数字で見てみましょう!
内閣府が発表している「子供の貧困対策大綱」によると、一般家庭の進学率は、大学等(大学・短大)で53・9%、専修学校等で17%、進学率全体としては70・9%とされています。
一方で生活保護家庭の場合、子どもの進学率は、大学等(大学・短大)が19・2%、専修学校等が13・7%、進学率全体としては32・9%となっているのです。この差は、子どもの教育格差という観点からも、決して無視できない数字です。
教育水準の差は、生涯賃金の差となって表れます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している「ユースフル労働統計2016」からは、学歴や性別ごとに、生涯賃金の差が見てとれます。
たとえば、高校卒業者と大卒・大学院卒者で生涯賃金を比較してみると、高卒者は正社員の男性で2億1千万円、女性で1億5千万円であるのに対し、大卒・院卒者は男性2億7千万円、女性2億2千万円と、6千〜7千万円の違いが生じているのがわかります。
さらに非正社員の場合は、大卒・院卒の男性で1億5千万、女性で1億2千万となり、高卒では男性1億3千万、女性で1億円とさらに下がっています。まさに、学歴の差が、賃金格差として如実に表れているのです。
このような統計からも明らかなように、両親の収入格差が子どもの教育格差となって商事、さらにその結果が子どもの生涯賃金の格差につながっているのです。そしてそれは、次の教育格差や収入格差へと連鎖していきます。
正に負の連鎖....。
収入の低迷による教育水準の低下という連鎖をどこかで断ち切らなければ、いつまで経ってもマイナスのサイクルから抜け出せません。それが、解決困難な格差社会を生んでいることは間違いないでしょう!
その連鎖を断ち切るために、奨学金という名の借金をして大学に進学している人も少なくありません。ただ、奨学金はいずれ返済しなければならず、それが若者の負担になっている実情もあります。
やはり、子どもの将来を考えるのであれば、両親が頑張るしかありません。
可能な限り収入を増やし、良質な教育を受けさせることが、子どもの生涯賃金を伸ばすことにつながるのです。
もちろん、収入を増やすのは簡単なことではありません。そのために、本業だけでなく、副業を検討している人も多いことでしょう。しかし一方で、なかなか収入が増えず、苦労している人も見受けられます。
収入を増やす目的ではじめた副業によって、肉体的・精神的に疲弊してしまい、結果的に本業へと悪影響がおよんでしまえば本末転倒です。
ただ実際には、無理なアルバイトに励んでいる人も少なくありません....。
大切な子供達のために負の連鎖を断ち切りたいものですね。